



トロムスダーレン(トロムソ市東対岸の市街地)の山を挟んで南東側に、EISCAT (European Incoherent SCATter) scientific association の
レーダー施設があります。トロムソに向かう途中でここを見学しました。レーダー施設には高層大気層
(成層圏より上の中間層もしくは熱圏、プラズマ物理学的には電離層に相当)のプラズマ擾乱を観測するため
の2台のアンテナがあります。一つはショベルタイプの2方向指向アンテナで、もう一つは電波天文学にも
使えるパラボラアンテナです。ここの施設には他にも heating facility 用の広大な敷地があります。
ちなみに、ここの施設は協会のメンバーでもある日本からの研究者にも馴染みの場所です。

17日のノルウェー独立記念日(あるいは国民祝日)は、街の中心に向かう前に、トロムスダーレン側にある
ケーブルカーでトロムソを一望できる山に登りました。街ではノルウェーの旗があちこちで翻り、人々は
この祝日のための晴れ着(伝統的なスーツとドレス)を着込み、街に繰り出してノルウェー国歌を歌い、
フォークソングを歌い、パレードやブラスバンドの演奏を見る。。。で一日を過ごすようです。山の上から
でも街中で奏でられる音楽や歌が聞こえました。

街では記念日を祝っている一方で、非常にマイノリティーですが、山の上ではトロムスダーレンで最後の
山スキーを楽しむと見られる数組のスキーヤーを見掛けました。スキー全てはスラロームでもテレマーク
でもない、いわゆる"歩く"スキー(ツーリングスキー)でした。なるほど、ノルウェー人が何故
クロスカントリースキーあるいはノルディックスキーで圧倒的に強いかちょっと分かった気がします。
ノルウェー人は"スキーをはいて生まれてくる"と言われるくらいスキー好きらしいです。・・・市島の
方ですが、非常に小さいので1日で周りきってしまえる規模です。

いよいよ街に繰り出しました。人・人・人でごったがえしていました。このノルウェーの祝日は非常に
有名で、トロムソでも観光客が多かったです。ただ、ノルウェーの物価はスウェーデンのそれの倍以上
なので、スウェーデンからの観光客はそれほどでもないと思います。それでも、例えば、この日のための
晴れ着を観察して回るだけでもかなり面白いです。特にこの日は最高の天気にも恵まれ、街をぶらぶらして
ちょっとオープンカフェ(オープンビアガーデン?)でトロムソ産の"マック"ビールを飲むには最適でした。
私はあまりビールは好まないので、"マック"にはそれほど執着しませんでしたが、ノルウェーの代表的な
魚料理<バカラオ>のトロムソヴァージョンを食べることができました。バカラオは、白身の魚(多分、
鱈?)とポテトをトマトソースで煮込んだものが基本らしいです。

トロムソ市内の丘に建つ、何かの通信施設と思われる敷地に入って、そこにあった青々とした芝生の
上でしばし日光浴。緯度69.5度を越えるこの地域で、この季節に、半袖で日光浴できるのは極めて稀です。
キルナでも日光浴は6月に入ってからです。。。

トロムソの観光スポットの一つとなっている、ミッションカソリック教会の内部です。外観はとても
教会とは思えないもので、シドニーのオペラハウスをちょっと思わせるデザインになっています。
トロムスダーレンの小高い丘に建っていて、しかも市島を結ぶ高架橋のたもとにあるので、非常によく
目立ちます。

元同僚が今、トロムソにあるノルウェー空気研究所(NILU、本部はオスロ)に勤めているので、最終日の
日曜日の午前中、彼女を訪問しました。彼女はとても楽しそうにトロムソでの生活を送っているようでした。

ノルウェー極地研究所(ノルウェー空気研究所・トロムソ分室はここに入っています)の横には、
ポラリアと呼ばれる博物館があります。主に極地方、スヴァールバードの動物、鳥類、植物相、地質学に
関する展示・ビデオがあり、非常に興味深かったです。。。正直、非常に楽しめる場所でした。驚いた
ことに日本語による説明も一部あり、しかもかなり的確なしっかりした説明文だったので、なおさら
びっくりしました。博物館の一部は水族館にもなっているので、アザラシ(確か、アシカよりは大きかった
ような。。。)や極地方の海洋(北極海)に棲む魚介類を間近で見ることもできました。巨大なヒラメ(実際
"一般的な"ヒラメがどれくらい巨大なのか知りませんが、カレイよりは大きいということくらいは知って
います。。。)や、最初はナマズだと思っていた kattfisk (英語に直訳すると catfish)も直に
見ることができました。カットフィスクはどうも比較的深い深度に棲む魚のように見えます。シーラカンス
の親戚と言ってもよいような硬質の鱗に覆われた薄い色彩の、長い胴体の、魚です。顎が非常に強そう
と言った印象が残りました。